戦国カフェ 〜OLが戦国武将をゆる〜く語るブログ〜

プロフィール

名前:戦国アイコ 
戦国武将とカフェが大好きな会社員

  • 特徴:残業は嫌い。仕事の後カフェでまったりするのが大好き。
  • 趣味:猫と遊ぶこと。推理小説を読むこと。
  • モットー:ほどよく頑張る。
  • 好きな食べ物:スウィーツ(特にクリームあんみつ)
  • 嫌いな食べ物:梅干し、納豆。

「どいつもこいつも狂ってやがる」北野武監督の新作映画「首」☆戦国武将たちの野望、裏切り、ボーイズラブが炸裂!!残虐さと映像美とユーモアと。これは傑作なのか?それとも!?戦国LOVEの戦国アイコが、忖度なしに語るよー(^^)/

2023/12/22

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こんにちは!戦国LOVEのアイコです(^^♪
先日、今話題の北野武監督・最新映画『首』を観てきました!

この映画、カンヌ映画際では、上映後、観客がスタンディングオベーションで5分間拍手が鳴りやまなかった程、
大絶賛だったそうですね♪

でも、きっと残虐シーンが多いんだよね。怖そうだな。

と心配しつつ観に行った、戦国アイコの感想は・・・

ということで・・・今回は、映画『首』の感想を、ゆる~く語っていきます♪

映画『首』あらすじ

あらすじは、「本能寺の変」を中心に戦国武将や忍、芸人や百姓など多彩な人物が絡みあい、欲望や裏切り、愛憎劇を繰り広げる物語。

それを、バイオレンスあり、笑いありの、北野ワールド全開で独特の、まさに戦国エンターテイメント映画なのだ。

ちなみに、「本能寺の変」には、80くらいの説があって、その中でこの作品は「羽柴秀吉黒幕説」をとり、明智光秀を動かして天下を取ろうとしたのは秀吉だった!という構図となっている。

このメインの構図の中に、織田信長の跡目争い、信長と光秀と荒木村重、三人の恋愛三角関係、秀吉に憧れて成り上がろうともがく百姓たち、元甲賀忍者で秀吉に仕える芸人、徳川軍、毛利軍との関係、などなど、

様々なエピソードが組み込まれ、

と、北野監督自身は語っている。(首パンフレットインタビューより)

豪華俳優&異色のキャスト

出演しているのは、今が旬な俳優陣と芸人たちの超豪華メンバー!!
主演の、西島秀俊、加瀬亮、そして浅野忠信、大森南朋はもちろん、皆さん、北野武監督の映画に出演できる事を、心から喜んでいるんだって♪

特に今回、キーパーソンの一人でもある曽呂利新左衛門役を演じたキム兄を始め、大竹まこと、中村獅童、劇団ひとり、など北野監督に「出たい!」と懇願して、出演が決まったらしい。

だからなのか、出演者が皆、生き生きと楽しんでいる様子が、スクリーンからビシビシ伝わってきた。

特にアイコは、中村獅童の茂助が、ギラギラと勢いがあってとても良かったと思う。

歌舞伎俳優でもあり、もうしっかりと俳優としてのキャリアを確立した人なのに

茂助の、成り上がりの野望、激しい欲望をみずみずしく、まるで20代の新人のように若々しくエネルギッシュに演じていて、正直ちょっと驚いた。いい俳優さんなんだねぇ♪

中村獅童(茂助)の勢いは、間違いなく映画全体の勢いに繋がっていると思う!

首がポンポン、飛ぶ!?

「首がポンポン飛ぶ」って評判通り、確かに、首斬りの描写が多かった。冒頭から残虐なシーンが続く。

アイコは、うかつにも、ホットドッグ片手に観始めてしまい、
過激な描写に、食べる気が失せてしまったよ~。

けれど不思議。残酷な描写なのに、なぜかそれは汚い下品なものでなく品があるんだよね。

普通、残虐なシーンがある映画を観た後は、そのグロテスクさに、気分が重たくなってしまうのだが、今回は、全く無く、いい映画を観たなと嬉しい気分になった。

きっと北野監督にとって「首を斬る」という行為や「斬られた首」「首のない死体」は、戦国の残虐・狂気を表現するためのもので、映画のメインではなく、映画を構成する一つの要素に過ぎないからだと思う。

実際、

撮影監督が、冒頭に出てくる首の無い死体について、「もっと寄りの画を撮ったほうがいいんじゃないですか?」と、首をクローズアップすることを提案した際、
北野監督は、「いや、いらない。それを見せるために撮っているんじゃない」ときっぱりと言ったそうだ。(首パンフレットより)

この映画には、様々な要素がある。
豪華&異色のキャスト演じる戦国武将、百姓、芸人など登場人物の野望、純愛、裏切りというそれぞれのストーリー。
それ加えて、壮大なスケール感、圧倒的な映像美、さらには絶妙なスパイスを放つお笑い、ユーモア。

これらそれぞれの要素が光を放ち、ミルフィーユのように重なりあって、この戦国スペクタクル映画を作り上げている。

だからこそ、「ポンポン飛ぶ首」にも、
その残虐さに感情移入することなく、一歩引いて、ザ・エンターテイメント!として楽しませてくれるのね!

北野監督の本番は一発勝負

ちなみに、北野監督は、基本的に本番は1回、一発しか撮らないそうだ。セリフを間違えても、かんでも、一回だけ。

その理由は、役を作り込み過ぎず、新鮮で自然な表情を撮りたいからだそう。
「漫才は、お客さんの前で1回しかやらない、何度もやり直すなんでバカな話はない」らしい。

だからこそ、俳優陣の「この映画に出演出来て嬉しい!」という喜々とした思いと、一発撮りという手法で、スクリーンから、生き生きとした新鮮な躍動感がガンガン伝わってくるんだね。

ビートたけしの秀吉ってどうなの?

たけしの年齢が、秀吉に合わないと批判する人がいるそうだ
40代の加瀬くんの信長に対して、70代のビートたけしの秀吉。

実際、アイコも
年齢設定がおかしなことになるのでは?大丈夫なのかな?って思っていたよ。

けれど映画を観て、年齢の心配など、全くの杞憂だったことが分かった。

この作品は、「北野ワールド」という独自の世界、エンターテイメントであり、史実に忠実な時代劇や、大河ドラマ、教科書などではない。

ビートたけしの秀吉は、それ自体が、

我々凡人のものさしで図ることは到底できないのだ。

力を抜いた自然な、たけし、というか秀吉から醸し出される、余裕と狂気、そしてユーモア。
穏やかに笑っていながらも、その表情の奥に潜む凍りつくような冷酷さ。

かと思えば、秀吉と弟の秀長(大森南朋)のアドリブ?での絶妙な掛け合いを見せてくれて、
これには、大いに笑わせてもらった!私的には、もっとあんなシーンが欲しかったな。

まぁ、きっとやり過ぎると、喜劇要素が強く出てしまうから、
面白いシーンはスパイス的程度にしたんだろうけど。もう一度観たい♪

と言う訳で、

豪華な俳優陣で占められているこの映画。
けれど、もし、ビートたけしが秀吉役をやらなかったら、きっと、間違いなく面白さ半減、いやそれどころか、この映画が成り立たなかったのではないか!?

印象的なシーン①清水宗治の死

備中高松城の城主、清水宗治が船の上で舞を舞い、切腹するシーンは、圧倒的な映像美だった。
その衣装と舞と、海と光と…この映像は、今までの歴史ドラマでは見たことのない、美しさだったな。

「武士道」として見せ場をつくり、いよいよ切腹という最高に価値あるシーン!
このまま甘美に浸って場面が進むのかと思いきや、秀吉が放った一言で、その雰囲気がぶち壊し(笑)

詳しくはネタバレになるから言えないが、

農民出身の秀吉にとって、武士の美意識なんてどうでもいい。
人間は、その生まれや意識によって、死との向き合い方、価値観が全然違うということを見せつけられた気がした。

武士の最後をあれほどの映像美でお膳立てしておいて、ボロクソに叩き落とす!
この対比にはかなり驚いし、クスっと笑えた。

清水宗治の最期の感動的なシーンを、持ち上げて落として、さらにユーモアで包むなんて、
たけしの秀吉にしか出来ない技!最高ですねぇ(笑)

印象的なシーン②信長の最期

あの織田信長が死ぬ!本能寺の変で最期を遂げる!
そりゃ~もう、ここは見せ場も見せ場!!しっかり尺を撮って、死に際をカッコよく見せるんだろう。

この場面で信長は、人間50年~と舞ったり、最後カッコよく見せてみたり・・・今まで数々の歴史ドラマはそうしてきたよね。

今回は、特に本能寺の変がメインに描かれた映画。だから一体どんな最期になるんだろう?
と、期待していた私は、その最期のシーンに、呆気にとられてしまった。

北野武監督は、死をあっけなく描くことで有名らしいけど、
なぜ死を、ここまであっけなく描くの!?

それに対する答えは、

「生死の問題は、それだけでもスゴイことだから飾り立てない。映画やテレビがよくやる大袈裟な“死”は、その怖さや残酷さをかえって疎外している。他のどうでもいいシーンは、こってりやって、“死”は呆気なく描く」(首パンフレットインタビューより

という事なのだ。

なるほど。これも北野監督の、引き算の美学なのかもしれないね!

印象的なシーン③最後のオチ!?

映画のタイトルは「首」

人を殺した証は、その首をとること。首がなければ、その人物を殺した証明にはならない。
信長、光秀ら戦国時代の武将は、首というものが非常に重要だという価値観を持ち、それを表現している映画なんだな、と思って観ていたら・・・

と、意外な終わり方で、しばらく考え込んでしまった。

このラストは、何を意味しているんだろう?
わざわざ、このシーンで終わらせる意味は何だろう?

そしてアイコなりに解釈したのは・・・

信長や光秀の世界では、首こそが重要。
でも、百姓あがりの秀吉の世界では、首なんかどうでもいいのだ。ってこと。

この秀吉の世界観が、信長・光秀の当時主流であった世界観を、ブチ壊す。
首というタイトルで、ここまで首にこだわっていると思いきや、実は首なんかどうでもいい。

このオチ!?痛快さを理解出来た時、私は、これは単なる映画のラストシーンにとどまらず、
北野監督、ビートたけしの人生価値観をそのものを表しているんじゃないかと思った。

きっと彼は、世の中にはびこる価値観や既成概念を、映画のラストシーンのような気持ちで、蹴っ飛ばし、新しい価値観を作り上げ生き抜いてきたのではないだろうか。

衣装デザインも見どころ

最後に、衣装にも触れておきたい♪この映画は、衣装がとても美しくて印象的だった。
衣装を手掛けたのは、黒澤明監督の娘で衣装デザイナーの黒澤和子さん。

この作品の中では、

羽柴秀吉、秀長、黒田官兵衛のグループのイメージカラーパレットは、
「青、グレー、緑、コミカルな中に大人の雰囲気、寒色系」とか、

織田の信長、森蘭丸、弥助は、
「黒、赤、黄、南蛮柄、洋風、明るい色目、新しいもの好き、暖色系」など、それぞれの人物イメージに沿った色味を展開している。

織田信長の、黒のマントや柄物の羽織りものは、カッコ良かったな。

黒田官兵衛の、鮮やかな黄緑の陣羽織は印象的だったし、
秀吉はブルー使いが似合ってたなぁ♪

ヨーロッパの方々は美意識が高く、色彩感覚に優れていると言われるが、そんな人達に、上映後5分間、拍手が鳴りやまないほど賞賛された理由の一つは「日本の美」だったのではないだろうか?

作品の中で、景色の映像美はもちろん、「衣装の美しさ」も大きく貢献しているんじゃないかと思う。

終わりに

まだまだ書きたいことはあるけれど、長くなったのでこの辺で(^-^;

改めて、映画『首』は、

喜々として体当たりで演じる旬な俳優たち、そして戦国の狂気と愛と裏切りと、壮大なスケール、圧倒的な映像美、美しい衣装、そして全体を包み込む絶妙なユーモア溢れる映画です

一般的な時代劇や、大河ドラマとは全く違うジャンルの、

なのです!

※画像はすべて首パンフレット写真より引用

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